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冬といえば (2012.1.19)
「やっぱやわらけぇな」
『つきたてのお餅みたいだね』
ふたりの手が、ロックオンの臀部を下からゆっくりと撫で上げ、それからきゅうっと握った。
痛くはない。だからこそ、ひどく恥ずかしくなった。
「なっ、なに、やって……っ!」
「イイだろ? だって、キモチイイって気がついちまったンだもん」
『ロックオンも、こうされるの嫌いじゃないよね?』
「そりゃ……嫌いじゃ、ねぇが……」
そこを、こんなに優しくされたことはなかった。自分でも、服を選ぶとき、トレインで誰かの隣りに座るとき、すこし意識する程度だ。
ロックオンは震えながら、シーツを握り締めた。
『ひんやりしてるね』
「……いや、あの、お前ら──」
「次ヤるときはコタツで決定な」
*
雪○だ○ふくを食べるたびに、ニールのオシリがちらりと浮かびます。たぶん、冷えるとこんな感じになるんだろうな、と……。
ライルはあれですね、鶏の軟骨(笑)
デビュー戦 (2011.2.27.)
「おい、入ンぞ?」
ベルもノックもなく、ハレルヤは扉を開けた。パスワードが今日の日付にしてあることは、随分前から知っていた。
ベッドに腰をかけ、本を読んでいたロックオンは、どうして訪問されたか当然解かっていたのだろう。“ふたり”を見るその顔には、やっぱり来やがった、という確信と、どうしようという動揺が、素直に表れていた。
「今日は何の日だ?」
「……お前らの、誕生日……」
「っつーことは?」
「おれの部屋に入っても良い日だ……」
「憶えててくれたんだな」
子供のときにアレルヤが好きですと告白して以来、ロックオンはふたりが部屋に入ることを禁じた。偏った境遇、知識と経験が、すこしでも組織で生活しているうちに均されていけば、また好みも考えも変わるかもしれない、と思っていたからだった。
ロックオンは、ふたりに機体に乗って欲しくもなかった。選ばれたとはいえ、もっと明るい未来があっても良いはずの青年なのだ。
約5年ぶりに、ロックオンの部屋にふたりの脚が一歩踏み入れた。5年の間にロックオンの部屋は何度か替わったが、アレルヤもハレルヤも律儀に約束を守り、訪ねてきて気になる素振りは見せても、中に入ろうとはしなかった。
ハレルヤの背後で扉が自動で閉まり、ロックオンは眩しそうにふたりを見上げた。見慣れた壁を前にして立つと、本当にふたりが大きく育ったのが良くわかる。
「いらっしゃい、だな」
「なんだそりゃ」
「この部屋に入るのは、初めてだろ?」
ロックオンは読んだところで栞を挟み、本を棚にしまった。
すっとした横顔が本を探し、目当ての本を見つけ、それを手にとり、ページを開き、瞬時に本の世界に吸い込まれるロックオンの姿を見るのが、アレルヤもハレルヤも大好きだった。
「また増えてやがる……」
5年前に数冊だった本棚は、今では数えられない数の作品で埋まっている。地上に降りるたびに、ロックオンは端末に纏めたリストを片手にブックストアを何軒も歩き回る。データをダウンロードしてしまえば良いものを、ロックオンは本だけは律儀に店で買い求める。
スケジュール上、それに何度か付き合ってきたアレルヤは、本に対する、見たことのない、ロックオンの真摯で意固地な姿勢に最初は戸惑ったものの、すぐに心を奪われてしまった。
最初は見上げていたブックストアの棚の上段は、望んだ通りにロックオンと同じ高さまで見えるようになり、ロックオンが届かないさらに上の棚の本も、アレルヤは飛び上がって取って渡せるようになった。
だが、ロックオンが探している本を先に見つけてしまい、ロックオンに手渡すときのもやもやとした気持ちには、いつまで経っても慣れることはなかった。
休憩と入ったカフェや、宿泊先のホテルでも、ちょっとした時間でロックオンは本の世界へと行ってしまう。
怒ってハレルヤが本を無理矢理取り上げたこともあった。あのときの、ロックオンの表情は今でも憶えている。綺麗な顔が素で驚き、一瞬腹を立てて眉を寄せ、それから目の前にあるすっかり冷めてしまったコーヒーに気付き、最後に、我に返ったようにアレルヤを見た。すまん、と謝った。
「オレらのライバルは本当に尽きることがねぇんだな。地上に降りるたびに、愛人じゃんじゃん拵えやがって。むかつくったらねぇよ……」
「愛人って……、お前は……」
「そうだろ? オレらがずっと本命だ」
「気持ちは変わらなかったんだな」
「ったりめぇだろッ」
「アレルヤもか?」
『うん』
アレルヤの右手が、ロックオンの左手をそっと握った。
ハレルヤの左手が、ロックオンの右手をやけに優しく握った。
「オレらの初めてをてめぇにやるっつってんだ。わかんねぇフリしてんじゃねぇよ……」
「わかんないわけじゃねぇよ。ただ、おれなんかをどうしてこんなにって不思議なだけだ」
『怒るよロックオン』
初めて男二人分の重さを受け入れることになったロックオンのベッドが、微かに軋む。
「往生際悪すぎだろ? 機体の調整中だってヘタこきゃ死ぬんだぜ? それをてめぇが言う歳になるまで我慢したんじゃねぇかよ。それとも今度はあのガキがオトナになるまで待てって言うつもりかよ」
「刹那のことか? そんなの、いつになるか……」
実戦になる頃も、おそらくあの子供は自分を変えることはない。困った子だ。だが、とても、強い。
「このまま、抱くのか?」
「あぁ、てめぇを抱く準備なんかこっちはとっくにできてンだ。それを今日までてめぇのせいで……」
「やっぱりおれが入れられるほう?」
改めて問われて、ハレルヤの頬が紅く上気した。
「なぁ、舐めろよ……」
いざロックオンのからだに乗り上げると、若干気弱な様子になったハレルヤに、ロックオンは優しく微笑んだ。
「おれを抱く準備はできてるんじゃなかったのか?」
「成長の話だ。わかんねぇもんはわかんねぇ……」
精一杯、優しくしてくれようとしているのだ。だが、どうすれば優しくできるのかがわからない。
ロックオンは手袋を外すと、ふたりの頬を包むように、触れた。
忘れてしまっていた、素手での愛撫の感触。
暴力ではない、人間の重さ。
「……教えてやることは、できねぇかも」
「はぁ?」
ちらりと見えたハレルヤの犬歯を見て、ロックオンは嬉しさに欲情した。
舌先でゆっくりと、差し出されたアレルヤの左頬を舐め上げ、ハレルヤの右頬を舐め上げた。
さらりとした舌触りで、特に右の頬は、ほんのり、甘かった。
「すこしずつだ」
「意味わかんねぇって……」
「おれをいきなり完食すると、腹壊すからさ。だから、すこしずつ、な?」
『でも、ぼくたちとても頑丈なので……』
「バカかアレルヤ、今のはコイツのスケベな喩えだろ」
「あのな、ハレルヤ。雰囲気も、大切に」
*
翌日、ロックオンは訓練がまともにできなくてスメラギさんに叱られました。
アレルヤ、ハレルヤ、お誕生日おめでとう!!
ライルの気苦労 (2011.2.13.)
「なぁ、にいさん……これで本当に材料合ってんのか?」
俺の声が聞こえているのかいないのか、指についたこげ茶色を、ニールはぺろぺろと舌先で舐めている。
今日は、ハレルヤが近所の牧場に呼ばれた。たぶん、手伝ってくれというのは口実なんだろう。牧場だけでなく近所の奥方から娘さんから、ハレルヤは山ほどチョコレートをもらって帰って来るはずだ。
アレルヤは珍しく、こんな時間だというのにキッチンどころか家にいない。ニールが言うには、やっと届いた本を街まで取りに行かせたという。
舐めた手でまたヘラを動かし始めたニールは、いつも以上に寡黙だった。
子供の頃からニールは何に対してもずば抜けて才があり、俺はいつも口でも負けていた。ニールは、俺が必死で言葉を探している間に、俺が言いたかったことを先に見つけてしまい、その場を上手く進めてしまうことが多かった。笑顔で俺の言葉を待っていてくれることもあったが、俺がやっと探し出した言葉はいつだって足りなくて、やはりニールが察して助けてくれることが常だった。
俺は兄の隣りにいるうちに、感情がすぐに顔に表れ、言葉より先に手が出る子供になった。
プレゼントもチョコレートも、兄と同じだけ数はもらったが、包みの大きさや添えられているカードの内容は、違っていることに子供ながらに気がついていた。
ニールのことは好きだ。尊敬している。感謝もしている。だが、刺々しい想いは膨らむばかりで、自分ではどうしようもなくなった。
そして、俺は俺の勝手な感情の所為で、多感な、最も成長する時代の兄を、知らないままになってしまったのだ。
俺が良く知っているニールは、いつだって俺をまっすぐに色んな表情で見つめ、俺を気遣い、俺の居場所を作ってくれた。
だから、いつも笑顔で何でもこなした兄が難しい顔をして黙っていると、俺はこんな歳になっても、まだひどく気まずい気持ちにさせられるのだ。
「ライル、そっちは出来たか?」
俺の顔も見ない。
俺はどうしたら良いのか困って、洗っていた苺のひとつをニールの口に押し付けた。
「ほら、今年のも甘いって」
「そうだな」
苺を咀嚼しながら、やはりニールは俺を見ない。
一体なんだよ。その口唇でアレルヤを散々愛して、その口から毎晩あれだけ甘い泣き声をあげているくせに。
門に取り付けてあるカウベルが鳴った。油を差したら音もなく開くようになってしまった門に、ハレルヤが牧場でもらってきた古いカウベルを取り付けたのだ。乾いた、だが澄んだ音がした。
凍りついた窓から外を覗くと、ハレルヤとアレルヤの姿がぼんやりと見えた。
ニールはわかっているのだろうに、俺が洗った果実に串を刺しては溶かしたチョコレートに先端を潜らせる作業を繰り返すばかりで、その場を動こうともしない。
代わりにというわけでもないが、俺は手を拭きながら、玄関へと走った。
「おかえり! 寒かっただろ。アレルヤも一緒か」
「あぁ、すぐそこで一緒になった」
「角でばったりね」
アレルヤはブーツの雪を落とし、コートを脱ぐと、すぐに重そうな紙袋をニールに渡しにキッチンへと入って行った。
ハレルヤも、手に何か袋を持っていた。
やっぱりなぁ。
「それ、……チョコレート?」
俺が思わず訊ねると、ハレルヤは「ぁあ?」と怪訝そうな顔をした。
「いや、今日はそれで呼ばれたのかと思ったからさ」
「あぁ、なんかパーティーやるっつってたけど、全部断った」
「断った!?」
「だっててめぇがくれんだろ? だったら他にいらねぇじゃん」
「え……俺が?」
チョコレートじゃないならその袋の中身は? とも訊けなくなった。
一瞬ぽかんとした俺に、ハレルヤはチッと舌打ちをした。
「なンだ、くれんじゃねぇのかよ」
「いや、ある、あるよ!?」
今ちょうどそれをやっていたところだ! と言おうとしたところで、ニールが呼ぶ声が響いた。
俺はハレルヤを咄嗟に強く抱きしめると、玄関で立ったまま、まだ凍るように冷たい頬にキスをした。
「あれだよ、ハレルヤが牧場に呼ばれたのは、まぁおれがちょっと気を回したからだ」
「は……?」
「今年はお前とふたりでチョコレートを作りたかったんだよ。といっても、アレルヤみたいに器用じゃねぇから、こういうことになったわけだけどな」
雪を固めた台に何本も刺さった串と、その先にチョコレートを絡めた苺や杏、庭の木に生る姫林檎。串を抜いて箱詰めするところまでは、ニールは思いつかなかったらしい。台ごとテーブルに乗せて、まるで縁日の屋台のようだった。
「かわいいね」
アレルヤはテーブルに肘をついて、目の前のチョコレートと、その向こうにいるニールを交互に見つめ、微笑んだ。
チョコレート越しに、ニールが微笑み返す。
なんだよ、もう。俺とふたりで作りたかったって、あんな無愛想な菓子作りがあるかよ?
力が抜けて椅子に座り込むと、ハレルヤが持っていた袋を開けて中から瓶を出してきた。
「これ、今日手伝った礼だってもらってきた。ウイスキーだってさ。あの色白なのと晩酌でもしろって言われた」
「ライルのことだね」
「チョコレートを肴に呑むならコイツだって言ってたけど、そうなのか?」
「あぁ、そうだな」
「食ってイイ?」
「いいぞ。アレルヤもな」
「うん」
「お前ら全員、愛してるよ」
やられた……。
ほら、やっぱり、にいさんはずるい。
*
ライルはいつまでもニールの弟で、兄に尊敬と畏怖の念を抱き続けていたら良いなぁと思って書きました。この後、一口食べてハレルヤが苦いと怒る予想です(ニールがチョコレートに砂糖を入れ忘れたため)。
恵方巻 (2011.1.28.)
「おいアレルヤ、このでけぇ黒い紙みたいなの、なんだ?」
「海苔だよ」
「のり? へぇ……なにするもんだ?」
「食べるんだ。お米を巻いて」
「米なんて」
「取り寄せてあるよ。あと玄米酢とか干瓢とか高野豆腐とかお醤油とか、あと味醂も」
「それ全部食いものか? ニールは知ってんのか」
「うん、食べてみたいって。日本の巻き寿司」
「ふぅん……珍しいな、ニールがそういう希望を出すのは。いつも必ず汁もんとジャガイモなのによ?」
「ハレルヤ、庭のほうが大丈夫なら、手伝ってくれない?」
「おぅ、別にイイけど」
「日本酒も買ってみたんだ。すごい種類があって良くわからなかったけどね」
「飲ませろや」
「夕食のときにね」
───夜。
「アレルヤ……なんだこりゃ……」
「真っ黒な棒が2本……? おまけにちょっと波打ってるし……これなんだ? ひも?」
「あ! 干瓢抜いちゃダメだよライルッ!」
「カン……? なんだ? なぁ、にいさんのリクエストってなんだったの……!?」
「いや、巻き寿司ってのを頼んだんだが……テーブルからはみ出てやがる……。いくらなんでも長すぎじゃないか? アレルヤ、これって本当にこういうものなのか?」
「うぅん、カットしようとしたら、ハレルヤが面白いからどうしてもいやだって言うんだよ」
「どうやって巻いたんだ、こんな」
「え? ふたりでやったら巻けたけど?」
「そもそも、このしんなりした黒い薄いのは……?」
「海苔っていうものだよ。海草だね。日本の問屋から2畳買ったんだ」
「2畳……!?」
「うん、思ってたよりずっと大きくてびっくりしちゃった」
「米はどんだけ炊いたんだ?」
「え~と、一袋……だから、2kg?」
「マジでか!」
「ハレルヤに頼んだら一番大きい鍋に全部入れちゃってね」
「重くて混ぜんのすっげぇ大変だった!」
「自慢すんな」
「にいさん、それって一度に食える量じゃねぇよな……?」
「あぁ……。けど、食う。これは一度に一気に無言で食わなきゃだめなんだ」
「なにそれなんでそんな強気!?」
「そうこなくっちゃなぁ! よし! ライル! てめぇそっちから食え! オレこっちから食う!」
「はぁ!?」
「がんばれよ~ライル。アレルヤもそっちから食うか?」
「うん、ニールと競争だよ」
「全然勝てる気しねぇけどなぁ……」
*
日本食にまったく縁がなかったライハレと、ハンパな知識だけあって資料だけで食べてみたかったアレニル。長~いと絵的にもあまりエロくならなくて、大の男がテーブルを囲んで立ったままもぐもぐがんばってるのもカワイイと思うのです。
ついったの課題 (2010.11.14.)
“4分以内に2RTされたらライハレで、お互いに意識しすぎて無言の状態が続いて気まずくなってるシーン”という課題を以前ついった上で書いたので転載。
ふざけんなよな、と思う。部屋に戻ったらさっさと風呂に入って寝てしまえと思っていたというのに、ちょっと煙草を買いに寄り道をした隙に、先にハレルヤが入っていた。うっかりバスルームのドアを開けてしまったライルはシャンプーとボディソープを立て続けに投げつけられ、ラストのリンスだけはなんとか避けたものの、額に見事に容器の角が当たって瞼の内側で星を見た。
それから30分は経ったというのに、ハレルヤは出てこない。未だに眉間はじんじんと痛い。この調子だと、明日にはこぶになっているだろう。
兄にどうやって説明をしようか。いや、それよりも、身体の火照りの方が痛かった。
食事中、ハレルヤは一言も口をきかず、ニールとアレルヤが時折気を遣って話しかけても、ライルのことは見もしなかった。
どうして同室なのだろう。どうして、今日初めて逢った男と、同じベッドで寝る算段になっているのだろう。
ハレルヤはバスルームから出てこない。今日はそこで寝るつもりかよ!? 煙草への禁断症状よりも、熱く滾るわけのわからない衝動に耐え切れず、ライルは無理矢理バスルームを蹴り開けた。
バスタブの縁が見えたと思った瞬間、ライルは声をあげた。ハレルヤがシャワーでとびきりの冷水を勢いよく浴びせてきたのだ。熱湯じゃないだけマシだったが、こんな真冬に冷水とは、本当に容赦がない。
ライルは腕を伸ばすと、ハレルヤの手首を掴んだ。
『まったく! 部屋中プールにする気かよ! 今夜どこで寝るつもりだ!』
シャワーヘッドを取り上げて、仕返しにハレルヤに冷水をかける。ハレルヤは声をあげることもなく、ライルを睨みつけていた。
『そんなに俺と同室が気に入らないのかよ!!』
蛇口を閉め、大きな音をたててシャワーヘッドを壁のフックにかけると、ライルは前髪をかきあげた。
現れる、白い額。その中心にある、紅い傷。さっきハレルヤが投げつけた物でついた傷だ。
そして、蒼碧色の深い瞳。泡だらけのバスタブの隅に立ち尽くしたハレルヤが、ちいさく口唇を噛んだ。
『なんだ、俺が嫌いってわけじゃあないんだな……』
ハレルヤのペニスが硬く張り詰めているのを見つけて、ライルは声を落とす。睨んでくる瞳は左右違う色をしていて、なのに同じことを言いたげだった。
『俺もだよ』
冷水が滴り、肌に張り付くシャツの釦を白く長い指が外していく。
『なぁ、俺も入って良いだろ?』
ハレルヤはタイルを背につけて、立ち尽くしたままだ。
『両方が一目惚れするなんて、本当にあるんだな……』
裸になったライルを見たハレルヤは、力が抜けたかのようにずるずると腰を落としてバスタブの僅かな幅の縁に座った。
ハレルヤの日 (2010.10.20.)
アレルヤとハレルヤは分裂してるけど、アレルヤにもしも『ハレルヤの日』があったら……。
いつ来るかわからない『ハレルヤの日』、毎朝ベッドをくんくんして、匂いで確認するニール。(※アレニル・ライハレです)
「まずいな……夕べまではアレルヤだったけど、コイツはハレルヤだ……」
「にいさん!! にいさん、まだ寝てるの!?」
「オイッ! アイツなんとかしてくれよ!!」
「うわぁ~、すんげぇ荒れてるな……」
「にいさん、なんでいつもアレルヤより後に起きてくるんだよ!」
「そうだよてめぇがなんとかしろよッ! てめぇのカレシじゃねぇかッ!」
「その前にお前の兄貴だろ、ハレルヤ」
「だからこそ止めらンねぇんじゃねぇかよ!! あの状態だとアイツオレより強ぇんだよ…!!」
「いや、その前にハレルヤって意外とケンカ弱いっていうのもあるだろ……」
「ライルてめぇどっちの味方だ!」
「とにかくにいさん!」
「いや……無理……あれだけはおれでも無理だ……」
「なんでだよ! 大体日頃のにいさんへのストレスも絶対入ってるだろっ」
「ねぇよ!!」
「なんでそう自信満々で言い切れる……」
「大体“ハレルヤの日”だろ? お前らの方がわかってるじゃねぇか。お前が対処しろ、ハレルヤ」
「なンでオレが……ッ!!!」
*
いつものハレルヤと、ものすごい凶暴なハレルヤがいる家って面白いなぁと、ただ単純にそう思って妄想しました。被害に合うのは大抵いつものハレルヤで(笑)
ハレルヤは1期ではずいぶん人間的にダメな感じで描かれていたけれど、私はアレルヤの方がずっと暗い翳を持ったコだと今でも思っています。劇場版になってやっと、アレルヤはハレルヤが背負ってきたものまでまるごと全部を背負えるようになったんだなぁ、と。
接点・2 ~ラブエロ~ (2010.9.26.)
「ここのメーカー、薄くて良いけどサイズの展開がなぁ」
「小さすぎるんだよね」
「そうそう。ハレルヤはそれでもつけろって言うけど、無理矢理つけると翌日まで痛ぇんだよ」
「こっちは? 新しい素材だって」
「ハレルヤは新しもの好きじゃねぇからなぁ……はずしたときのこと考えると、やっぱ俺はこっちだな」
「ニールはそこのはぬるぬるすぎてイヤだって言ってたよ。気持ち良くないって」
「でもハレルヤはにいさんほどまだ慣れてないねぇし……すこしゼリー多めのがいいかもな」
「まだオイル使ってるの?」
「あぁ、最初はオイルなしじゃ入んねぇよ」
「へたくそ……」
「ぇっ! いやまぁ、そこはカンベンしてくれって! 俺もハレルヤも初めて同士で、まだその~……すんなり…ってわけじゃねぇんだからさ」
「ぼくだってニールが初めてだったよ」
「え、だって、ハレルヤの、すげぇ狭いんだぜ!?」
「なに、その、ニールはゆるゆるみたいな言い方」
「ち、違うって…っ! そういう意味で言ったんじゃねぇよッ!!」
*
年に1~2度の、アレルヤとライルの秘密会議。受けの二人は知らない、攻め同士の赤裸々な戦い……。ライル相手だと、アレルヤは自分のことは棚の高いところに上げられるっていうのも楽しいです。
それよりそんなカタログの最新版が毎回アレルヤの手元にあるっていうのも、漢らしすぎます(笑) おまけにアレルヤは、そういうものを普通に本棚にしまっておきそうです。ニールが見つけて、なんだこりゃ! ってびっくりしたりとか(笑)
接点 ~ラブエロ~ (2010.9.23.)
「ライル、そろそろまた通販するけど、いる?」
「あ、いるいる……って、今にいさんは?」
「絶賛原稿中だから、ちいさい声でなら大丈夫だよ。ハレルヤも外に出てるよね?」
「あぁ、絶賛ヤギ小屋掃除中だ」
「手伝わなくてもいいの?」
「昨日頭突きされたとこがまだ痛くって、さ……」
「また狙われたんだ……」
「背中見せた途端にガツンと一発な。俺のケツってそんなに頭突きしやすいのかねぇ」
「知らないよ」
「……まぁ…そうだよな……変な話して悪かったな」
「それより、どれにする?」
「あ~、今回はノーマルのにしとこうかなぁ。こないださ、ちょっと刺激も良いかなって粒々のヤツ使ったら、ハレルヤにすんげぇ怒られたんだぜ」
「ふぅん……粒々、ニールは好きかな……」
「にいさん、ゼリー少ないのが好きなんだろ? じゃあイケんじゃねぇの?」
*
滅多に使わないゴムだけど、やっぱり必要な夜もあり。
攻め同士の珍しい接点は通販だったり、とか……。アレルヤも、大事なハレルヤ抱いてるライルには容赦なしなときもあって良いかと思います(笑)
双子で互い違いにお揃いを ~ラブエロ~ (2010.9.15.)
「おい、ライル」
「ん?」
「前からずっと思ってたこと言ってもいいか」
「な、なんだよ……」
「なんで夏になると、風呂上りにてめぇはいつも裸(ら)!なんだ」
「……。え?」
「え、じゃねぇ。なんか着ろ」
「だって下は短パン履いてんじゃねぇか。あ、ノーパンじゃねぇよ、ちゃんと下着も履いてる」
「そこじゃねぇ、上も着ろっつってんだ!」
「え~、暑いだろ~。それに俺、そういうの似合わねぇし……」
「はぁ?」
「白いタンクトップ、ハレルヤが着てるとすごいカッコイイのにさ。俺が着るとなんかこう、オッサンっぽくなるんだよ」
「誰が同じの着ろっつった!」
「え? そういう意味じゃないの? 俺たちのタンスの引き出し、一応全部お揃いで服が入ってんだけど」
「!?」
「あれって、ハレルヤと俺がお揃い着るためじゃねぇのか?」
「なんだよそれ! 知らねぇよッ」
「だって、どれも微妙にサイズ違うのがお揃いで入ってんじゃん。あれ、ハレルヤと俺のだろ?」
「! ……な、なんでもイイからなんか着ろっつってんだ! 無駄に肌晒すな……ッ!」
「え~? なんで? そんなに俺って魅力ない? あ、それとも、したくなっちゃう!?」
「殴んぞてめぇっ……」
*
タンスの引き出しの犯人は当然アレルヤ(笑)
アレハレの白いタンクトップが好きで好きで……。でも、ディランディには似合わないってずっと思ってました、スミマセン(笑)
タンクトップを着る場合、ニールは濃いカーキ、ライルは濃い紫が似合うと思います。ちょっとだらしなくパンツを下ろし気味に、ニールはネックレス(例のアニメ誌の)、ライルはバングルとか色々ジャラッとつけて。
シーツが3枚 ~ラブエロ~ (2010.8.20.)
「おいライル、アレルヤがシーツ出しとけってさ」
「え~……昨日も換えたのに?」
「毎日洗って綺麗にすんのがアイツの考え方だからな」
「そりゃあ、にいさんとこは毎晩毎晩すごい濃いみたいだから、毎日換えなきゃなんないかもしれないけど……」
「オレらはてめぇがオレのベッドに潜り込んできて、てめぇのベッドは汚れねぇもんな」
「いや、あれ? なんか怒ってる……?」
「別に……」
*
ハレルヤのベッドでした後は、ライルのベッドに2人で移動。
ハレルヤのシーツばかりが洗われて、同じ時期に使い始めたのに使い込み感に差が出てきたことに、ハレルヤがちょっと「おかしくね?」って不満を持ってたりするとかわいいです。
双子SNS事情 ~ラブエロ~ (2010.8.17.)
2階で。
「ニール! サン牧にじゃがいもが出たよ!」
「お! 種買う買う! 育てる!」
「食べられないけどね」
「いいよ。本物はアレルヤが作ってくれてるだろ?」
「もちろん。ニールの好物だもの」
「サンキュ。すっげ嬉しいよ」
1階で。
「だ~、ついにここにまでじゃがいもが登場しやがった」
「なんの話?」
「アレルヤとニールと“3人で”やってるゲーム」
「なにそれ! なんで俺入ってないの!?」
「もうじゃがいも食い飽きてるってのによ~」
「ちょっとハレルヤ! ねぇ、なんで!」
後日。
「だぁ~! じゃがいも獲っても獲っても終わんねぇ!!」
「ねぇ、ハレルヤ! ねぇってば!」
「ンだよ、4期作って! しつっけぇだろうが!」
「俺もそれやりたい!」
「ぁあ? ……ぜってーダメ」
「だからなんで!! なんで俺だけダメなんだよ!!」
「え~……。内緒」
──ライルに日記を読まれるのが恥ずかしいからなんて、言えない。
*
やっと終わったと思っても、また1つだけすみっこにじゃがいも植えとくハレルヤとか、かわいいと思います。
いまだにちまちまとやってます、サン牧……。
初めてお客さんが来た夜に ~オリーヴ・スカイ~ (2010.7.28.)
「アレルヤ? しないのか?」
「うん、しないよ?」
「どうしてだ?」
「刹那とライルが2階にいるからね」
「それだと、しないのか?」
「うん。だってニール、声が出ちゃうでしょう?」
「……我慢する」
「したいの?」
「したい」
「今夜できないかもしれないから、昼間したのに」
「寝る前もする」
「昼間のだけじゃ、不満だった?」
「そんなことねぇよ……」
「でもしたいの?」
「寝る前にするの、日課だろ?」
「……そうだったね」
「おれは……アレルヤともハレルヤとも、寝る前に毎日するんだ……」
「ニール……」
「だめか?」
「ニール、声出さないって、約束だよ?」
「うん。我慢する」
「もし声出したら、タオルで口をふさぐからね」
「うん……でも……」
「ん?」
「それだと、息ができない」
「大丈夫、強くはふさがないし、口だけだから。安心して」
「うん」
レモンに夢 ~オリーヴ・スカイ~ (2010.7.26.)
「ハレルヤ、脚立出してくれ」
「ぁあ? なにに使うんだ?」
「あの実、食いたい。てっぺんのあのでかいヤツ」
「お前わかってんのか? あれレモンだぞ?」
「知ってるよそんくらい」
「それかじるのか?」
「すっぱいものが食いたいんだ」
「……おい、できたとかじゃねぇだろうなぁ」
「?」
「ガキだよガキ。レモンなんか欲しがりやがって」
「おれは男だろ?」
「バーカ、冗談だよ。いくらなんだってありえねぇ」
(ニールとオレたちのガキか)
「ハレルヤは子供、キライなのか?」
「あぁ、そうだな」
「そうか……」
「レモンはオレがとってやるよ。あのてっぺんのでかいヤツな?」
(一度も考えたコトがないわけじゃねぇ。けど、やっぱありえねぇだろ?)
「すっばい」
「ってお前、マジで丸かじりかよ!」
「でも、美味いぜ? ハレルヤも食う?」
「いらねぇ。レモンはそうやって食うもんじゃねぇもん」
「最近すっぱいものが食べたくてしょうがないんだ。本当に、できたのかな?」
「お前は、欲しいか?」
「うん……でも、ハレルヤが苦手って言うなら、……」
「ふ~ん」
(お前にガキができたら、アレルヤもオレも喜んで迎えるさ。ニール、お前の子供なら……)
Ayatori ~ラブエロライハレ~ (2010.7.12.)
「ん」
ハレルヤが両手を差し出してくる。
ライルはその手を幾重にも行き来している毛糸に小指を交互に引っ掛けて、ぎこちなく親指と人差指をくぐらせた
ネットで偶然見つけた、日本の古い遊び。
これにハレルヤがはまって、もう一週間ほどが経つ。
無理矢理付き合わされて、最初は端末の画面で指のかけ方を見よう見真似で悪戦苦闘していたライルも、とりあえず型だけは覚えた。
「ニールは〆切り前の追い込みか」
「うん。にいさんがピリピリしてると、アレルヤもちょっと声かけづらいな」
「まぁな……あいつらマジで一心同体だからな」
昼食にも、ニールは降りてこなかった。アレルヤが食事を2階に運んで、それきりアレルヤも見かけない。
書斎に篭ったままのニールの凝り固まった肩を揉んだり、寝室を静かに掃除したりしているのだろう。〆切りが終われば、アレルヤは思い切りニールを抱けるのだ。
「今日はお茶はオレたちだけだな」
「ん~」
「スコーンあったっけかな」
ライルは自分がとる番となると、会話どころではない。
思うように指がかからず、ハレルヤの指から離れた毛糸が均衡を崩して垂れ下がった。交差した毛糸がほぐれてしまい、ライルが返してきた型はすでに本来の形をしていなかった。
「あ、お前へったくそだなくそっ」
ハレルヤはライルの手から毛糸を掴んで抜くと、また最初の型から作り始める。
器用に中指が毛糸をくぐり、長い指の間をすぅっと滑っていく。
綺麗な手だ。鍬やスコップのマメが薄くできて、爪は短めに整えられて。
ベッドに腰をかけているライルの足元にハレルヤは座り、ライルの太腿を枕代りに、熱心に毛糸に向き合っている。
窓の外は、細い雨。空は明るい。
スコーンには、どのジャムを合わせようか。いつものママレードと、先日森で採ってきた黒スグリにしようか。それとも野いちごにしようか。
クロテッドクリームは、まだ冷蔵庫に残っているだろうか。
ライルはハレルヤの前髪をそっと撫で上げると、美しい額にそっとキスをした。
嵐の夜 ~オリーヴ・スカイ~ (2010.6.19.)
窓の外から、家の中すべてが一瞬照らされたような光に、ニールはちいさく震えた。
夕方から外が暗くなり、いつもは抜けるほどに青く雲の高い空には鼠色をした低い雲がたちこめ、明るい色の海も黒く変わった。
アレルヤはそれでも、風が強くなった庭で野菜を採り料理をした。普段と変わらず、ニールと風呂に入り、明るいキッチンで食事をして、ベッドに入る。
初めて目にする雷と暴風雨に、だがニールのからだは強張って、アレルヤの下で棒のように横たわったままだった。
「大丈夫だよ」
大きな窓ガラスにあたっては弾け飛ぶような大粒の激しい雨を、大きな瞳で見つめるニールに、アレルヤは優しく微笑んだ。
「全部、強化ガラスだから」
「割れ…ないか……?」
「うん。ヒビ一つ入らないから、安心して、ニー」
アレルヤの声をかき消す、空が割れたのではないかと思うような稲妻と、すぐに続く地響きに、白いからだはさらに硬くなる。
脳裏にじわじわと浮かんでは消えてゆく、爆発音、攻撃されたときの衝撃。
撃ったときの、感触。
シーツをさらに握り締めた手を見ると、アレルヤは開いたニールの寝着の前をそっと元に戻し、ボタンをとめた。
「恐くないから、大丈夫」
「……レルヤ……」
「今夜は眠れそうにねぇな」
ニールのからだを抱き起こし、厚い胸が震えの止まらない柔らかな、だが硬いからだを抱きとめる。
ニールの瞳は、窓の外を凝視したままだ。
嵐に飲み込まれてしまいそうな、美しい瞳。
なによりも綺麗な、アレルヤとハレルヤが愛してやまないニールの、見開いたままの瞳。
アレルヤの腕が背中を支えたまま、ハレルヤの手が、その瞳をそっと塞いだ。
「やらねぇよ」
アレルヤの口唇が、色を失った頬を撫でる。
ハレルヤの口唇が、冷たくなった耳朶を噛む。
「お前は誰にも、どこにもやらねぇ」
「離さないから……ニール」
シーツを掴んでいた手が、ゆっくりと開き、暖かく逞しい脚を上へと辿った。
オリーヴ・スカイ(未収録部分) (2010.4.28.)
ふと目を覚まして、ニールは上体を起こした。
ベッドの脇にある大きな窓からは、薄いカーテン越しに、月明かりが優しく部屋を照らしている。この時間にもなると、虫の鳴き声も聞こえなかった。
みんな、眠ってしまっているのだ。
時折、海風がざわりと草木を撫でる音だけが空気を揺らした。
「……ニール?」
アレルヤの、優しい声がした。
「……どうしたの? トイレ?」
「ぁ……、うん」
「一緒に行こうか?」
「いい、一人で行ける」
サイドテーブルには、照明のリモコンが置いてある。
だが、ニールはそれは置いたまま、アレルヤを残してベッドを降りた。
裸足が、すこしひんやりとした床にひたひたと音をたてる、真夜中の家の中。どの部屋にも、景色の見渡せる広い窓や、庭へと続く分厚いガラス戸があり、自然光が入るおかげで真っ暗闇になる場所はない。
キッチンで冷凍庫を開け、固まりかけの氷の表面に指で穴を開けて遊ぶと、ニールは奥のバスルームへと入った。
バスルームの大きな窓からは、月明かりに草むらが光っているのが見える。
アレルヤが気にかけるほど、ニールは薄暗いところが恐くなかった。
立って用を足しながら、幻想的な色に染まるバスルームのタイルを眺め、シャワーヘッドがまだ乾ききっていないことに気付いて、そこに光る水滴をじっと見つめる。数時間前には暖かかったはずのそれは、今ではすっかり月明かりに光る夜露と同じ世界の住人になっているようだった。
水を流し、手を洗ってベッドに戻ると、アレルヤが銀色の薄目を開けて布団を捲ってくれた。
「……起きててくれたのか?」
おずおずとベッドに上がり、アレルヤの腕の中に収まると、後ろからぎゅうっと抱きしめられた。
「こんなに冷えて……ちゃんと出た?」
「え……うん……出た……」
「また悪戯してたでしょう」
本当は、アイスクリームを食べようかと思っていた。が、目当ての味のパックには、まだ固まってないよ、と張り紙がしてあったのだ。だから、その隣りに入れてあった氷のトレイに指を突っ込んだ。
薄い氷が、かしゃり、と脆く割れる音がキッチンに響くのが、ニールは好きだった。
「ニールが悪戯するから、平らな氷ができないよ」
冷たくなった指先を、アレルヤが口に含んで温める。
ニールが無意識に普段はどちらの手を良く使うのか、知っているかのように、左手の人差指と中指を、暖かい舌で撫でる。
「……アレルヤ、くすぐったい」
ニールが根を上げて身を捩ると、アレルヤはちゅっと音を立てて綺麗な指先を口から解放し、それから布団を引き寄せてニールをしっかりと包んだ。
ある日の昼下がり (2010.3.17.)
「っくし! ハックショッ…!」
「どうしたの、ニール? さっきから、クシャミしっぱなしだよ」
「こ、胡椒、ぶちまけちまっっあっックシュン!」
「大丈夫?」
「…なんで、おれの腰なんかぁっくしゅ! 持ってんだ……?」
「なんか、グキッといっちゃいそうで心配だから……」
「おれはっ、じぃさんかよっっ、ックシュッ!」
「そうじゃないけど、でもなんか心配で……」
「ハ…ァクシュッ! ぉ…、おまえは、なんともっ、ないのかぁ……!?」
「うん。胡椒なんかじゃどうにもならないよ」
「マジかよっっヒックシュンッ!」
*
胡椒くらいじゃ、クシャミなんか出ない超兵。ニールはくやしくて、あとでティッシュをこよってアレルヤの鼻をくすぐってみたり。
ニールは意外にも、鼻かむ音がすっごい豪快だったりすると良いと思います。アレルヤが最初びっくりするくらい。
キッズ端末にされるかも? (2010.3.12.)
「ロックオン、お帰りなさい」
「ただいま、アレルヤ」
「地上の様子はどうだった?」
「ホワイトデーっていうんで、街が賑わってたなぁ。お前たちにもマシュマロ買ってきた。あとで食おう」
「本当? マシュマロって、ぼく食べたことないや」
「だと思って、色んなの買ってきた。ティエリアに内緒で、炙って食おうな」
「炙るの?」
「トロトロになって美味いんだぜ?」
「そうなんだ。じゃあぼく、こっそりランプを用意するよ」
「おぅ」
「それにしても、ゆうべはすごい長電話しちゃったね」
「あぁ、途中でバッテリーが切れた」
「さすがに初めてだったね、バッテリーが持たなかったのは……」
「だってアレルヤ、あんなエッチなことさせるんだもんな」
「ち、違うよ、あれはハレルヤが…!」
「どっちにしろ、テレホンセックスまがいなことは初体験だ」
「もちろん、ぼくたちもだよ……」
「かわいかったぜ? アレルヤもハレルヤも、あんな顔してさ」
「ロ、ロックオンだってッ! でも、最後までできなかったね……」
「今度からガンダム繋ぐか」
「GNドライヴで電源とるの!?」
「絶対に途中で終わっちゃうなんてこと、ないだろ?」
「それは…そうだけど……記録も残っちゃうんじゃないかな」
「いや……それがだな……さっきミススメラギにばったり遇って、フィルタリングかけるわよって言われた……」
「えッ!?」
「すでにゆうべのことはお見通しってヤツだ」
「うわぁっ! ど、どうしようっ!!」
「もうどうしようもねぇよ。それよりさ、続き、しようぜ?」
「続き……?」
「おれ、ゆうべのじゃ満足できねぇよ……」
*
ふたりを別々の任務につかせると、毎晩膨大な通信料がかかるので、そのうちスメラギさんから“制限をつけるわよ”、とか言われたらカワイイな、というお話でした。
ドーナツ型ではアレなので…… * ディラ誕 * (2010.3.1.mon)
「ハレルヤ起きて! ロックオン、こっそり誕生日教えてくれたよ!」
『ぁあ? 守秘義務とかってくだらねぇもんはどうした』
「うん。日付は教えてくれなかったけど、経済特区日本では耳の日なんだって」
『はぁ? ンだよそりゃ。日付言ってるようなもんだろうが。ったく甘ぇよなぁ、アイツも』
「そう言うけど、ハレルヤもこないだロックオンに、ぼくたちの誕生日を教えたじゃないか。今日18になったって」
『あぁ~。そうだったっけっかなぁ』
「そうだよ! それより、3月3日って、もうすぐだよ! プレゼント、どうしたら良いと思う!?」
『すっげケツ痛がってたから、デュナメス乗るとき用のクッションでもやれば?』
「あぁ、そうだよね。キュリオスのシート、硬いから、デュナメスのもきっと硬いよね」
『なんであんなに硬ぇんだろうな。寝にくいったらねえ』
「どういうのがイイかな!? やっぱりハロのデザインかな!?」
『エッチなねーちゃんのおっぱいクッションでも良いんじゃね?』
「ダメだよそんなの! 大体、出っ張ってるところが一緒じゃ座りにくいじゃないか!」
『考えてもみろって。並大抵のおっぱいに、アイツのケツが負けるわけねぇだろうが』
「なんだか、今でもまだちょっとおしり痛そうだよね……」
『あ、そうだよ、真ん中に穴が開いてるヤツ、こないだネットで見たじゃん。あれならちょうど痛ぇトコに当たンねぇんじゃねぇ?』
「えっ、ハレルヤ、あれって、だって……」
『ンだよ、なんか問題あンのか?』
「え、だって、あれは……」
*
誕生日の朝、デュナの座席に巨大なテディベアが座っていて、びっくりなロックオン。とりあえず座ってみて、モフモフしてニヤニヤして、でもそのままではデュナを出せないので、残念だけどシートの後ろの隙間に収納。
通信を繋ぐとき、ロックオンの後ろにちょこっとテディがのぞいていて、アレハレがにまにましちゃうと良いと思います。(ほかのクルーには、ロックオン後ろに映ってるそりゃなんだ? って質問されっぱなしで。笑)
結婚できる歳になりました!? * ハプ誕 * (2010.2.15.mon)
「痛ってって……まったく、冗談じゃねぇって……」
「油断したなぁ」
「!? ──なんだよ、いたのかよ……」
「あっさり美味しくいただかれちまったなぁ? ぁあ?」
「お前まさか、アレルヤの気持ちを知ってたのか!?」
「ったりめぇだろ、アイツの考えてることはオレには丸見えなんだからよ」
「だったら止めろよな……っ!」
「ンな、めんどくせぇ」
「お前のからだでもあるだろうがっ」
「ん。気持ち良かったぜ?」
「……は?」
「だからよ、すげぇ良かったって」
「なんだよそれ…」
「途中でちっと乗っ取ったから」
「乗っ取った……?」
「あんたも初めてだったみてぇだけど。悪りィな、初体験が一度にふたりで。それもまだヘタクソでよ」
「……っ!!」
「めでたくさきほど18になったんだ、好きなヤツ押し倒してなにが悪いんだ」
「? 好……。ぇ……?」
「わかれよバーカ」
「す、好き……って!?」
「オレにもそういう感情はあるってこった」
「!?!?」
「あ~。アンタ意外とめんどくせぇな。ったく、色男がなんて顔してやがる」
*
とても過酷な生き方をしてきているけれども、キスやセックスだけは、本当に好きな相手とだけしかしないと決めていたハプティズム。ハレルヤにも、惚れる対象があると良いと思います。
3人の年齢差が4つという短い数日、ロックオンはからだはしんどいけれど、頭はぽぅっと桃色に…。
純愛ショコラティエ (2010.2.14.sun)
「オイ、アレルヤ、今年は作んねぇのかよ」
「ん? なにを?」
「なにって……その、……」
「チョコレート?」
「お、おう……」
「作るよ、もちろん」
「ざ、材料は?」
「買ってあるよ」
「そ、その……」
「心配しないで。ハレルヤがライルに作る分もちゃんと買ってあるから」
「え……そ、そうか」
「どうしたの、ハレルヤらしくないな。そんなに照れくさい?」
「あ、ぁぁあったりめぇだろっ、なんでオレがそんなこと毎年しなきゃなんねぇんだよっ」
「素直になりなよ。ライル、喜ぶよ?」
「……知ってるって……。だから困んだろうが……」
「で、減ったの?」
「あ? なにが?」
「回数だよ、ライルとの」
「そっそれはっ」
「去年、チョコにやりすぎって書いたよね、ハレルヤ。ぼくあの矢印の数、思わず数えちゃったもん。ライルってすごいスタミナあるんだね、驚いたよ」
「アホか! そういうことを微笑みながらしれっと言うな!」
「でも、あれってそういう回数でしょ?」
「違う、オレは、その、……多すぎって書いたんだ……」
「同じことじゃないか」
「違うだろうがっ、ニュアンスがッ!」
「同じだよ~。で、減ったの?」
「……。減ってねぇよあの野郎……」
「わぁ、ちょっと安心したよ。良かった」
「良くねぇだろっ! 大体てめぇもちったぁニールに加減しろってんだよ、最後マジで泣いてんじゃねぇかッ!」
「あれ? 聴こえちゃってるんだ……」
「まる聴こえなんだよっ、すこしは恥じらいってもんがねぇのかよッ!」
「ニールはすごく恥ずかしがり屋さんだよ? でも、声がおっきいからなぁ……」
「だからそういう問題じゃねぇっつってんだろうがッ!!」
*
ディランディとはまた違う悩みを抱えるハプティズム(主にハレルヤ)とか(笑)
逆チョコ (2010.2.10.wed)
「にいさん、今年もハレルヤ、チョコくれるかなぁ」
「ンだよ、そんな心配してんのか? くれるに決まってるだろ、ああ見えてハレルヤはお前のこと、だぁい好きじゃねぇか」
「そうかな……本当にそうかな……」
「なんでそんなに不安なんだよ」
「だって、ハレルヤって俺のことなかなか好きって言ってくれないんだよ?」
「じゃあ、今年はお前がチョコ作って渡したらどうだ?」
「ダメだよ、俺アレルヤみたいに器用じゃないもん」
「器用かどうかじゃねぇって。アレルヤに教えてもらえば良いだろ」
「でも、もし万が一ハレルヤがまたアレルヤとチョコ作ってたらって思うとさぁ」
「なんだよ、それならそれでイイじゃねぇか。また一緒に街まで買物に行こうぜ? 去年の手袋、ハレルヤ使ってくれてるじゃん」
「それは…そうだけどさ……」
「なんでそんなに不安がるのかねぇ。おれにはさっぱりわかんねぇよ」
「そりゃ、にいさんとアレルヤはいつだってラブラブじゃないか!」
「まぁな」
「大体、本来はにいさんからアレルヤにチョコを渡すものじゃないの!?」
「なんでだ?」
「だって、にいさんが入れられるほ…痛っ!」
「関係ねぇだろッ、そういうことはッ!」
*
たまには双子でお茶する機会も。
同性の場合、どっちがチョコをあげる側になるんでしょうね。やっぱり入れられるほうがあげる側?
でも、ディランディとハプティズムだと、ハプ→ディラ、がかわいいと思うのです。
それでもって、ライルはハレルヤのこととなると、好きすぎてちょっと弱腰になっちゃうのが良いです。
ライハレサイド (2010.1.24.sun)
「冬になると特に、先に風呂入っていいぞって言われる日が増えるなぁ」
「なんか不満でもあんのか? いいじゃねぇか、湯が綺麗で」
「そんな、にいさんとアレルヤが入った後って、いつもものすごく綺麗じゃないか」
「まぁそうだけど」
「本当に入ってるのか、最初のうち疑ったくらいだよ」
「あれはアレルヤが洗ってんだろうな。ニールはそのへん結構適当だろ」
「結構っていうか、かなりね…。にいさんは自分の机は散らかってても気にしない性質だから」
「いンじゃねぇ? みんながみんな綺麗好きだと息が詰まんだろ」
「いや、先に風呂入るのはいいんだけどさぁ、ハレルヤとのんびり入りたい日は、後のほうがいいなって思うんだよなぁ」
「オイ、さすがにアイツらがいるときは、風呂ではヤんねーぞ?」
「そうじゃなくてさ」
「アレルヤたちが風呂でってのを想像してんのか?」
「うん、まぁ……」
「頭上で毎晩あんだけお盛んなワケだから、もう今更どうだってイイけどよ。でも大方は、一番風呂は洗い場が寒いからヤダとか、じいさんみてぇな理由なんじゃねぇのか?」
「あぁ、それあるかも」
「ニールがな」
「うん、にいさんがね」
*
同居して数年もすると、弟たちにすっかり読まれているニールとか。
手袋 (2010.1.11.mon)
「あ゛ぁ~~~」
「すごい声。おじいちゃんみたいだよ、ニール」
「こう冷えると、風呂は生き返るよなぁ」
「かかり湯しないで入っちゃったの?」
「あまりに寒いもんでな」
「ライルとハレルヤには、あんなに洗ってから入れってうるさく言ってるのに」
「だから、今夜は先に入らせただろ?」
「そういうことだったのか」
「お前も入れよ、そのままでイイから」
「でも……」
「あったまってから洗おう。今夜はおれがシャンプーしてやるよ」
「ほんと?」
「あぁ。おいで」
「うん」
「さすがにちょっと冷えてるな、お前も」
「今日はすごく寒かったから。でもニールはもっと冷えちゃってるよ」
「ほんの数年前までは、指先が冷えるなんて生死に関わることだったんだけどな。お前のおかげで、今は違う」
「本来のニール?」
「あぁ、ガキん頃は寒くて眠れなくて、よくライルと一緒に寝てた。それでもなかなかあったまらなくて、妹に内緒でこっそり母さんのベッドに潜り込んだりしてな」
「そうなんだ」
「今思うと恥ずかしいよなぁ、男の子が母親のベッドにさ」
「お母さんは、あったかかった?」
「そりゃぁ、……」
「羨ましいな……」
「……今はお前があっためてくれてる」
「うん」
「お前は暖かいよ、アレルヤ」
「うん……」
「もっと早くにわかってたら、ミッションの前にあっためてもらってたかも」
「だめだよ、全部脱ぐことになっちゃうもの」
「それもそうか」
*
皮の手袋の保温性がどうなのかはわからないけれど、冷え性対策もあったらちょっとかわいいなぁと思います。
洋式のバスルームには洗い場がなくて困りますが、必ず二人一緒にお風呂の彼らの家は、大きなバスタブに広い洗い場があると良いです。
せっかちなライハレは、いつもニールにかかり湯しろって怒られたり。
でもたまに、弟たちの目を盗んでアレルヤとかかり湯さぼってるニールとか。
願いの音 (2009.12.31.thu)
「ニール、そんなところにいて寒くない?」
「あぁ。ここだと良く聴こえるんだ」
「除夜の鐘?」
「空気が澄んでるからか、なんともいえない音だよ。暖かいような、ちょっとさみしいような」
「お寺の鐘がこんな深夜に鳴ってるって、なんだか不思議な感じがするよね」
「個性溢れる音になったら、一般人が鳴らし始めたってことらしいぜ?」
「ライルとハレルヤが行ったけど、どれかわかるかな」
「どうだろうなぁ。どんな音が出るか、わかんねぇもんな」
「どんな願いごとをするのかな」
「気になるか?」
「うぅん。ぼくにはニールがいるもの」
「今年もありがとうな」
「ぼくも……ありがとう」
「好きだよ、アレルヤ」
「うん……」
「おれのこと、好きって言って?」
「好き」
「キスして?」
「うん」
「……んっ」
「大好き」
「ん……。来年も、よろしくな」
「こちらこそ」
「お、音が変わったか?」
「お坊さんから交代かな?」
「はは、やっぱり一般人はみんなヘタだなぁ」
「一言に鐘をつくといっても、難しいのかもしれないね」
「見たことあるけど、タイミングが難しそうだったな」
「やっぱりお坊さんは上手なんだね。全然音が違うよ」
「うわっ、なんだ今の…!?」
「すんごい大きかったよ…!」
「ありえねぇだろ、この距離でこんだけ聴こえるって」
「……ハレルヤかも……」
「……。ありえるな……」
*
灯りをすべて消した部屋の窓際で、雲ひとつない満天の星空に響く鐘の音を、肩を抱き合いながら聴き入るアレニル。
ハレルヤには、なにごともでっかくあって欲しい……!
と、思ったりするわけであります。アレニルライハレだと末っ子なので、余計に。
同じ空気を吸って吐いて (2009.11.29.sun)
「久しぶりだね、ロックオン」
「? どちらさん?」
「ぼく、大きくなったでしょう」
「?」
「わからない? あ、そうか。声も変わったからね」
「──…アレルヤ!?」
「うん」
「うわ、背ぇ伸びたなぁ!」
「ここ1年くらい、ずっと別々に訓練だったから……。コックピットのサイズを何度も変えなきゃならなくて、イアンさんを困らせちゃったよ」
「そっか、育ち盛りだもんなぁ」
「ロックオンは変わらないね」
「そりゃ、年長さんだもん。もうこれ以上伸びねぇよ」
「うふふ」
「なんだよ」
「目線」
「あぁ、そうだな。同じ高さになった」
「いつもぼくたちはロックオンを見上げてたけど」
「そうだったな。かわいかった」
「ぼくたちは望んでた通り、ロックオンよりちょっと大きくなったよ」
「おれより?」
「1センチだけだけどね」
「そっか。抜かれちまったか」
「ロックオンは本当に変わらないや」
「まぁ、1年分は歳食ったと思うぜ?」
「うぅん、そうじゃなくて。見上げてたときも、とても綺麗でかわいい人だって思ってたけど、同じ目線でもやっぱり、綺麗でかわいい」
「……へ?」
「だから、綺麗でかわいい」
──ロックオン、沸騰して腰を抜かすまであと3秒。
*
たまにはこんな日常も。
アレハレの成長ぶりを、ニールは心でもからだでも、感じるとイイです。
まぁこのあと押し倒されたりとか。
アレハレサン牧 (2009.11.8.sun)
「アレルヤ、それ、なにやってんだ?」
「ん? ネットで無料で提供されてる、野菜や動物を育てるゲームなんだ」
「へぇ、そんなのがあんのか」
「見てない間は、ほかの人が水をやってくれたり、虫を退治してくれたりしてね、世話をしあったり、できたものをあげたりもらったりするんだよ」
「誰かと一緒にやってんのか?」
「うん。ハレルヤと」
「2人だけでやってんのか?」
「うん、そうだけど?」
「ライルはやってないのか」
「知らないんじゃないかなぁ」
「へえぇ……おれにもできる?」
「もちろん。でも、ハレルヤの虫攻撃は半端ないよ? 大丈夫?」
「あ~、なんかわかるな……」
「でもハレルヤってかわいくてね。動物を治療するとき、注射器が大きいもんだから死んじゃうんじゃないかって、なるべくオシリに打つようにしてるんだって」
「あいつ、意外とそういうとこあるよな」
「悪戯もあまりしてこないんだよね。レベルがあがらないったら」
「じゃ、おれが悪戯してもいい?」
「ニールには、ぼくに直接悪戯してほしいんだけど…」
「え…っ!?」
*
ネットで農場と畜産をする超兵たち。
かわいいと思うんですが、どうでしょう……?
でもマイミクがアレルヤとハレルヤだけって(笑) あ、これからニールも参加します。
4Dパズル (2009.8.15.sat)
「? どうしたアレルヤ? 冷蔵庫の前で」
「野菜が入りきらなくなっちゃって…」
「今朝市場で買い込んできたヤツか?」
「まとめ買いしすぎちゃったみたい」
「だって全部キロ単位で買うもんなぁ、お前は」
「だって、その方がずっと安いんだよ」
「そりゃそうだろうけどさ。この家にはお前とおれしかいねぇのに」
「ニールのジャガイモ消費量は、キロ単位じゃないか」
「ぁ…はぁ…。すみません…」
「ジャガイモに比例して、ほかの野菜もたくさん買っちゃうんだ」
「えぇっと、じゃあ入らない分は今夜食っちまったらどうだ?」
「そう思って、さっきポトフとマッシュポテトを作ったんだけどね」
「お、マジで?」
「今度はその鍋が入らなくなっちゃって」
「はぁ…あの……重ね重ねほんとにすみません……」
*
これ、たまにやります。冷蔵庫のドア開けたまま、立体パズル。どれを食べたらこれが入るか? みたいな…。
先のことを考えずに行動しちゃうことのあるアレルヤなので、冷蔵庫の前で途方にくれてたりするのもかわいいなぁ、と思います。
うっとりエレメント (2009.7.12.sun)
「ニール、これ、ドコに使ってるの?」
「へ…? ドコって、ヒゲだけど…」
「ヒゲ? 生えるの?」
「はぁ? お前はまた…。この歳なんだから、伸びないわけがねぇだろ? まぁおれは柔らかくて薄いほうだから、毎朝は剃らないけどさ」
「そうなんだ…」
「そういやお前、剃ってるとこ見たことねぇな…」
「うん、だってぼく、ヒゲないもの」
「!?」
「生えてこないんだ、まだ」
「まだってなんだよ…! 今ねぇってことは、もうずっとねぇだろ…!?」
「え!?」
「え・じゃねぇだろうがっ」
「……だって、えっと、その……」
「ぁ…。いや、人それぞれだもんな…。悪かった、そんなに気にしなくても」
「ニールは、ぼくにヒゲがあったほうがイイ?」
「……ぁ~、いや、それは……」
まぁ、夜とか朝起きたときに、じょりじょりされるのも悪くはねぇけど…。
*
ニールのT字剃刀を見つけて、純粋に?と思うアレルヤのお話。
アレルヤは、腕も足もすべすべな印象です。ヒゲもないような…。肌に関しては、小学生の男の子くらいなイメージです。
ニールはうっすらと、柔らかくて金茶色のスネ毛があったら良いなぁ。で、アレルヤはその触り心地が大好きで、ニールの足を足ではさんで、こすこすすりすりと。
ニールスイッチ (2009.7.1.wed)
「どうしたアレルヤ? 変か? このシャツ」
「ぇ…う、うぅん、似合ってるよ、すごく」
「じゃあ何をそんなにじっと見つめて…」
「あ、えっと、いや、綺麗だなぁって…」
「? 色がか?」
「あ、うん、色も綺麗なんだけど、カタチっていうか、盛り上がり方が」
「盛り上がり方!?」
「あ、うん、その……胸が…透けて…どこにあるのか、その、……」
「あ~、そういうことか…」
「綺麗、だよ、すごく」
お前が毎日舐めたり吸ったりするからじゃねぇかよ──。
*
・・・アレルヤの前では、そこはニールのスイッチだっていうお話。
メージュの対談写真にやられっぱなし。
シリかケツか (2009.6.21.sun)
「ねぇ、ニール。オシリのこと、なんて言う?」
「は…? なんだよ、いきなり…」
「ハレルヤが、シリっていう響きはいやらしすぎるって言うんだ。それならケツの方がまだマシだって」
「なんか良くわかんねぇ理屈だけど、わからないでもないな」
「ライルは、自分のオシリはケツって言うけど、ハレルヤのオシリのことはちゃんとオシリって言うんだって」
「…へぇ~…」
「ぼくも、ニールのオシリのこと、ちゃんとオシリって言うよね?」
「そ、そうだっけ…っか…?」
「ニールは? ぼくのオシリのこと、なんて言う?」
「……」
*
受の人は、攻の人のオシリを呼ぶ必要があまりないっていうお話?
それにしても、シリっていう言葉にすごく照れくささを感じます(笑) それならケツの方が言いやすい!